3つのポリシー

【アドミッションポリシー】

 国際文化研究科は、外国語学部と日本文化学部を土台とする、国際文化・日本文化2専攻の博士前期・後期課程を有する区分制の大学院です。
◯前期課程では、日本文化に精通しつつ、国際社会にかかわる高度な専門的知識を持ち、多文化の共生関係を深く理解して、国際社会及び地域社会の様々な分野において積極的に活躍できる国際感覚に優れた人材を育成します。
◯後期課程では、前期課程での達成を前提に、現代社会と国際社会に対してグローバルな視野をそなえ、しかも個々の文化のローカルな特徴にも十分な理解を併せ持った教育研究者や専門的職業人を育成します。
国際文化研究科では、上記の目的達成のため、次のような学生を求めています。
【博士前期課程】
日本文化と外国文化の認識に積極的な意欲を持ち、修得した専門知識を国際社会及び地域社会に還元する堅固な意志を有する人。
日本文化を包含する国際文化研究に必要な知識と外国語能力を備え、高度な論理的思考をもって学習・研究できる人。
【博士後期課程】
博士前期課程ないし修士課程で獲得した国際文化に関する専門知識と研究能力をさらに発展させる気概を持ち、課程内での博士学位取得に対し確固たる意志を有する人。
研究者として自立しうる専門的能力をそなえ、課程内で得た研究成果を広く国際社会と地域社会に対して還元できる人。

【カリキュラムポリシー】

 国際文化研究科は、グローバル化が進行しつつある現代において、文化の異なる社会が相互に理解を深め、より良く共生できるよう、これまでの人文・社会科学研究の成果を総合し、さらには新しい学問の創出をも視野に入れて、自文化と異文化社会について教員と学生が手を携えて研究を発展させることを目標に掲げています。また、同研究科は博士前期課程・博士後期課程の両課程において昼夜開講を実施することで、グローバル化時代における社会人のより充実した高等教育の推進に積極的に努めています。
◯博士前期課程は、国際文化専攻と日本文化専攻の2専攻からなり、両専攻に共通する研究の土台を「言語文化」と「社会文化」の2専門と捉え、それぞれの専門にさらに2研究分野を配置しています。
●国際文化専攻      言語文化専門           言語研究                  文学文化研究
                           社会文化専門           国際社会研究           地域社会研究
●日本文化専攻      言語文化専門           言語研究                  文学思想研究
                           社会文化専門           歴史文化研究           地域文化研究
【国際文化専攻】世界のほとんどの国家・地域・社会がカバーされており、国・地域の区分にとらわれない国際的な視野のもと、共通のディシプリンで教育・研究が行われます。また、学部のほぼ全教員が大学院の授業を担当するため、各授業科目は複数の教員が様々な角度から研究した内容を反映して、複合的かつ重層的に深化したものになっています。また日本文化専攻との間で共通カリキュラムを組むことで、本研究科の理念たる自文化認識と異文化理解の2本柱を意識した構成になっています。
【日本文化専攻】日本文化について、ほとんどの領域をカバーする総合的な教育・研究を行うことができます。これは、先の2本柱のうち、自文化認識に独自に責任を持つということを意味します。もちろん、日本文化専攻はそれだけに特化するのでなく、国際文化専攻のカリキュラムとの間で共通部分を設けることで、二つの柱を関連づけ、真に国際的な視野のもとで異文化理解を深めます。
◯博士後期課程を構成する2専攻のうち、国際文化専攻は、前期課程の国際性と学際性の特色をさらに深め、グローバル化とローカル化とが同時進行する世界の趨勢に対応しがら、既存の学問にない視点による研究成果をあげるための教育・研究を、日本文化専攻は、前期課程の総合性と学際性の特色をさらに深めて、日本社会を閉鎖的な島国として理解する傾向を批判して展開される、多面的で多様な列島・文化理解の趨勢に対応しながら、既存の学問にない視点による研究成果をあげるための教育・研究を、それぞれめざします。
各専攻における教育課程の特色は次の通りです。
【国際文化専攻】同専攻の特殊講義5科目群には、従来の区分でいう社会科学や人文科学が混在していますが、ここではそうした従来の区分に従うのではなく、グローバル化と学際的ニーズに対応した人材養成を実現するために、5科目群全体が有機的に関連する一体のものとして配列され、同時にこれらは相互補完の関係をなしています。社会領域の3科目群で解明される国際社会に生活する個々人は、その社会を背景として、言語・文学領域の2科目群で解明される認識を持ち、言語・文学領域の2科目群が解明するような認識を持つ個々人が集まって、社会領域の3科目群が解明するような集団を構成しています。両方の領域を学ぶことで文化に対する理解を総合化することができるようになります。
【日本文化専攻】同専攻の特殊講義4科目群のうち、2科目群が社会科学領域、2科目群が言語・文学領域となっていますが、日本文化に対する総合的な視野を有する人材養成を実現するため、国際文化専攻と同様、これら4科目群全体が有機的に関連する一体のものとして配置され、同時にこれらは相互補完の関係をなしています。国際文化専攻と同様、両領域を学ぶことにより、日本文化に対する理解を総合化することが可能となり、これによって、日本社会の中で生じている様々な社会集団(人間集団)の問題と人間内部の問題とを深く理解することができます。

 国際文化研究科は、博士前期課程(修士課程)と博士後期課程(博士課程)の教育課程から編成され、研究科の基盤となる2学部各学科と密接に連携した高度で組織的な専門教育、さらに自文化(日本文化)と異文化(国際文化)間のコミュニケーションと多文化共生システムの構築に基づく魅力ある大学院教育を展開します。

 博士前期課程

  1. 共生的視点から自文化理解と異文化理解に関する基本的な問題群及び研究方法を修得できる4研究分野間を横断する教育カリキュラムを設置します。

  2. 多文化社会教育の必須要件であるコミュニケーション能力のレベルアップのために、語学運用能力の向上に力を入れます。

  3. セメスター制の適切な運用、履修方法の創意工夫によって、外国人留学生を始めとして多様化する大学院生の要請に応え、幅広い専門的知識の修得及び柔軟な思考と判断力の涵養に努めます。

  4. 多様な学修歴を有する社会人の大学院教育の充実(14条特例の実施を含む)に取り組みます。

  5. 専修免許による教職課程に係る高度な教員養成プログラムを構築します。



 博士後期課程(博士課程)

  1. 高度な授業科目の履修および複数の教員による研究指導体制の確立を通して、自文化理解と異文化理解の専門性を一層向上させ、円滑な博士学位取得のための教育に努めます。

  2. 博士前期課程と博士後期課程を実効的に接続する教育カリキュラムを検討し、博士後期課程のより充実した教育展開を図ります。

  3. 学位取得を目指す外国人大学院生に対してきめ細かい教育体制を確立します。

【ディプロマポリシー】

 国際文化研究科は、博士前期課程・博士後期課程において、次のような人材育成をめざします。
◯博士前期課程
自文化への深い認識と豊かな人間性尊重の精神から、異文化理解に努め、グローバルな国際社会の現実的状況を的確に把握するとともに、広く地域社会の各分野において積極的にその発展に貢献する国際感覚に優れた人材の育成をめざしています。この点を踏まえ、本研究科が修了認定するのは、次のような能力・技能・態度を備えている学生です。
【国際文化専攻】外国語による豊かなコミュニケーション能力を前提に、外国語と外国語で書かれた資料を扱う能力を十全に備え、国際社会および地域社会における様々な社会的・文化的諸問題に精確に対応できる研究力を身につけている。
【日本文化専攻】国際社会に対する確かな理解を前提に、日本語と日本語で書かれた資料を扱う能力を十全に備え、日本社会および地域社会における様々な社会的・文化的諸問題に精確に対応できる研究力を身につけている。
◯博士後期課程
前期課程の教育目標とその達成を前提に、より高度の研究能力を備えて国際社会および地域社会の発展に貢献できる高度専門職業人、研究者の養成をめざし、修了生が、教育・研究等の各分野における指導者、組織者として、真の多文化共生社会の実現に向けた実践者となることを切望しています。この点を踏まえ、本研究科が修了認定するのは、次のような能力・技能・態度を備えている学生です。
【国際文化専攻】国際社会に対する高度で専門的な知識と問題解決能力=研究力を発揮して、社会の第一線において指導的組織者として活躍できるような実践力を身につけている。
【日本文化専攻】日本社会に対する高度で専門的な知識と問題解決能力=研究力を発揮して、社会の第一線において指導的組織者として活躍できるような実践力を身につけている。